PCR検査を受けるメリットとデメリットを解説

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新型コロナウイルスの経過

新型コロナウイルスにかかると、一般的に以下の図のような経過をたどります。

(新型コロナウイルス感染症診療の手引き(第1版, 厚生労働省)より引用)

8割の人は風邪が少しひどくなったような症状で治癒していきますが、20％は入院が必要になるほど肺炎がひどくなり、さらに5％はICU（集中治療室）での治療が必要な重篤なレベルになってしまうとされています。
PCR検査では重症度の判定はできませんが、新型コロナウイルスにかかっているかどうかを調べることができます。

PCR検査を受けるメリット

PCR検査を受けるメリットは、社会的にも個人的にもメリットがたくさんあります。
まず社会的なメリットについては、感染源の管理ができ、感染拡大防止につながることが最も大きいです。感染の可能性が高い人にPCR検査を行うことで迅速な感染予防対策が期待できます。
個人的なメリットとしては、重症の際に素早い対応が期待できるということが挙げられます。軽症であれば安静にしていれば問題ないですが、肺炎がひどい場合は入院が必要ですし、軽症でも容態が急変する可能性は十分にあります。そのため、PCR検査を受けて陽性者であることを保健所に報告することで何かあったときにもスムーズな対応をしてもらえます。

PCR検査を受けるデメリット

PCR検査を受ける社会的デメリットとしては、感染が疑われない人が公的機関を利用してしまうと、対応が逼迫してしまい必要な人に医療が提供できなくなるおそれがあります。
また、陽性者というだけで様々な差別を受けることがあり、つらい思いをすることもあるでしょう。
個人的なデメリットとしては、無症状の陽性者や偽陽性でも一定の管理下に置かれるということです。移動制限などは人権に関わるため慎重な扱いが必要ではあるものの、保健所の指示に従って感染防止対策に協力する必要があります。
イベントなどに参加できないこともあるため、「検査を受けなければ楽しめたのに」と思うこともあるでしょう。
また、PCR検査が陽性だったからといって何か特別な治療法が提供されるわけではありません。軽症の場合は自宅療養を指示され、適切な医療を受けることなく自宅で回復を待つだけの場合もあります。

PCR検査の意義や目的

PCR検査は、新型コロナウイルス感染対策において非常に重要な検査です。
現在のところ、PCR検査が最も早く正確に感染者を見つけ出すことができる検査方法であり、世界的に利用されています。
症状が出ている人にはすぐに検査を行う、濃厚接触者の場合は接触後数日してから検査を行うことで効果的な検査が期待できます。
もちろん100％陽性者を判定できるわけではありませんが、現状は上記の方法によってどの検査よりも感度の高いコロナウイルス検査をすることが可能です。
現在は当院を含め、民間の検査機関も増えてきました。これまでは症状を自覚している人や濃厚接触者が受ける検査だと思われていましたが、無症状でも感染を疑っている人は気軽に受けられるような環境が整備されてきています。
大きなイベントや普段会わない人と会うときにはPCR検査を受けて陰性を確認するというのが、これからのニューノーマルとなっていくかもしれません。

PCR検査は定期的に受けることをおすすめします

PCR検査で陰性判定を受けた場合、以下の3つの可能性があります。

全くコロナウイルスにかかっていない、真の陰性
本当は陽性だが判定されなかった偽陰性
陽性だが感染直後の潜伏期でコロナウイルスが検出されなかった陰性

つまり、陰性だったから感染していないと考えて行動していいかと言われるとそれは間違いです。陽性の可能性は捨てきれず、感染を広げる行動を取ってしまう恐れがあります。
ただし、PCR検査で陰性が出た場合、検査から数日間は他人に感染させてしまう可能性は低いです。そのため、例えば出張や帰省の直前に検査を受けて陰性だった場合はある程度安心しても良いでしょう。
もちろん、1週間～2週間すれば感染源になってしまうこともありますし、真の陰性だったとしても新たに感染することもあります。
これを防ぐためには、定期的な検査をして常に自分の感染状況をアップデートすることが重要です。